イスラム国とは。なるべく簡単に解説してみる。

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イスラム国とはなんなのか

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イスラム国とは建国を目論む組織の名前で、国ではありません。

結論から言うとシリア・イラクをまたいで活動する組織で、その目的はイスラム教のスンニ派のための国を建国をすることです。

ただその建国の仕方が暴力的過ぎるため、各国より非常に警戒されている組織でもあります。参加者からすれば革命軍で、諸外国からすればテロリスト集団というところでしょう。

シーア派とスンニ(スンナ)派

イスラム教は大きくシーア派とスンニ(スンナ)派の2派に分かれていますが、このイスラム国はスンナ派となります。ちなみに全イスラム教徒の9割がスンニ派で、イラクの限って言えば6割がシーア派となっております。

この2つの大きな違いは、シーア派は宗教的指導者(カリフ)を血統で選ぶのに対し、スンニ派は血統にこだわらず慣行に従い選びます。細かいところで言うと、諸々違う部分も多いわけですが、主流はスンニ派です。

ではシーア派とスンニ派が宗教の教義で争っているかというと、本質は違います。教義の違いで殺しあうなら、まず他の宗教の教徒と戦うというのならわかりますが、あえて同じイスラム教徒で殺しあうのはおかしな話です。

争いの本質は、富の配分

2派の人たちは入り混じって生活をしているわけではなく、各地方にお互い固まって生活をしています。その結果として、居住地域により貧富の差が生まれているのです。

特にイラクではシーア派が石油資源の多い地域に住み、富と権力を持っているため、それにスンニ派が反発し、同じイスラム教徒同士で殺しあいに発展してしまっているわけです。

流派は違えど、同じイスラム教徒同士。この富の配分さえ均衡が保たれていれば、こんなに凄惨な内戦には発展していなかったんだろうと思います。

イスラム国の活動

改めてイスラム国は、イラクで冷遇されているスンニ派の組織で、スンニ派によるスンニ派のための国を作ろうと活動しています。

スンニ派はイラクに非常に多いため、活動地域もほとんどがイラクになっていますが、最近ではシリアにも活動地域を広げています。

現状の参加人数は5万人前後といわれていますが、その人数は日に日に増えて行っているようです。というのもイスラムとは関係のない国から、若者が義勇兵として志願する人が後を絶たないのです。

不景気で働き口のないヨーロッパの若者からの義勇兵が多く、今の重苦しい世界を変えるべく革命を起こそうと、若者たちが参加していると考えられています。

過激で危険視されるイスラム国

若者が夢見てイスラム国に参加する一方、非常に過激で残虐な側面をもつ組織でもあります。ニュースにもなり、ネットで検索すればいくらでも画像がでてきますが、外国人ジャーナリストの首を切って処刑する生々しい動画を投稿し、世界中から注目を集めました。
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また国内では拠点を作るために、村を占領し村人500人を殺害。また300人の女性を奴隷にし、活動範囲を広げています。もちろん国際社会もこれを見逃すわけではなく、さらに警戒を強めていますが、その過激な活動がネット上で話題になり、それが世界中でイスラム国の知名度を上げている側面もあります。

巧みな広報活動とリクルート戦略

イスラム国は巧みにインターネットを使い情報発信をしています。その証拠に各国にはイスラム国の広報用のfacebookアカウントが設けられており、誰でもイスラム国メッセージをタイムリーに受け取れ、さらに誰でもイスラム国にコンタクトも取れる環境を整えています。

その広報戦略が功を奏し、異国の若者たちを多数リクルーティングできているわけです。この流れはネット上での規制がデリケートな分、対策を打ってもなかなか変えられるものではありません。

まだまだ参加人数は増えており、今後の動きが注目されます。

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