ツアーファイナルのフェデラー対錦織戦の考察と敗因

フェデラーの技術もすごかったが錦織の技術もすごかった

何がすごかったかというと、ラリーのスピードです。ボールのスピードではなく、ラリーと展開がすさまじいスピードでした。
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試合を見ていると強烈な球をお互いに打ち合っているのですが、なんとどちらもベースラインを踏みそうなくらい前でラリーを展開しているのです。

お互いにライジングで打ち合うとなると、ラリースピードは恐ろしく早くなります。試合中に実況が「速い!」と思わずこぼしたラリーに関しては、卓球かと思うほどのスピードでした。

松岡修三をして「僕がテニス界に天才と思うプレーヤーは二人のみ。その二人とは錦織とフェデラー」と言わしめたほどです。

支配していたのはフェデラー

ただこのスピードは錦織が望むスピードより少し早かったように思います。フェデラーに先に攻められたら負けるという気持ちがあったのでしょう。なので錦織は少し攻め急いでしまいます。

その結果、決して悪いミスばかりではないものの、ミスが多発しました。

とはいえ攻めのスピードを落とせば、フェデラーに一方的に攻められる可能性があったため、このスピードで戦う以外の選択肢がなかったというのが実情だと思います。これも含めて絶対王者フェデラーの支配力ということでしょう。

サーブが命取りに

かなりハイレベルな試合だったことに間違いはなかったのですが、見ての通りサーブが命運を分けました。
BNP Paribas Masters - Novak Djokovic v Kei Nishikori
まず目に付くのはダブルフォルトの数。マレー戦でも8本ありましたが、フェデラー戦でも7本と非常に多い数値です。少なくとも1ゲーム分は、フェデラーとしては何もせずにブレークできたことになります。

またファーストサーブの確率と威力。フェデラーが7本サービスエースを決めたのに対し、錦織は1本。これに関しては初めからサーブ力に差があったのでしょうがない部分ですが、確率が低かったのは問題でした。

後半はファーストサーブの威力を落とすことで確率を上げましたが、結果ファーストサーブでポイントを失う確率も増やしてしまいました。

もし錦織がブレークを許さずタイブレークに持ち込んでいれば、十分に勝機はありました。錦織もブレークポイントを握ったゲームはあったのです。

今後の課題

サーブの修正はもちろんですが、錦織の身長ではこれ以上サーブの強化を図っても見合った成果は上がらないように思います。課題はさらなるストロークの強化でしょう。

サービスをキープできなかったとしても、ブレークをすれば取り返すことができます。実際ストローク戦にもちこめばフェデラーとは互角以上の勝負をし、セカンドサーブでは何本かリターンエースをとっています。

ナダルもエースをとるようなサーブは打ちませんが、ランキングは常に上位3位以内。サーブが強くなくとも勝つことは十分できるのです。是非フェデラーの引退前には、大舞台でフェデラーに勝ってほしいですね。

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