少年法は廃止すべきだ!と思っていた。
最近少年による凄惨な事件をよく目にするようになりました。最近では川崎で中学1年生の上村遼太君が、18歳の少年らが殴る蹴るの暴行を加えたうえ、カッターナイフで切り付け殺害した容疑で逮捕されました。
被害者が13歳で、加害者が18歳という少年間での殺人事件であり、犯行の残忍性もあって非常に話題になりました。15/3/9時点でまだ犯行の全容は明らかになっていませんが、国民がこの少年らに対し怒りを覚えたことは言うまでもありません。
もちろんかくいう私もその一人で、この犯人が少年法に守られるのは納得できず、安易に「少年法など廃止すべきだ!」と思っていました。
少年法の目的は加害少年を守ることではない
そもそも少年法とは何かというのを調べてみると、
「この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。」
とのこと。
そして少年とは「二十歳に満たない者」で、さらに14歳以上かどうかでまた考え方が変わりますが、基本的には罪を犯した場合は、家庭裁判所で審判されることとなっており、総じて刑事裁判より処罰は軽くなります。
またその他にも少年の個人情報は秘匿事項となっており、被害者遺族でさえ公開されないこともあります。このような加害少年を守る面が大きいことから、被害者の気持ちを無視した法律だと叫ばれることがあるのです。
さまぁ~ずの三村さんもTwitterで「少年法なんかいらない」と発言して、注目を浴びましたね。
さてここまで読むと、確かに殺害された被害者遺族は納得いかないというのもわかります。場合によっては加害者の名前さえ伝えられないこともあるそうですから。
しかし少年法には続きがあります。
「性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞のある少年」
は、家庭裁判所の審判に付することができる。
つまり、少年法は罪を犯していなくとも家庭裁判所にかけることができるのです。当たり前ですが、一般人が罪を犯す前に裁判にかけられることはありません。
ある意味では、有無を言わさない法の力で、罪を犯していない少年を拘束することさえできるということです。これは意外な一面でしたね。
あくまで少年法の目的は、少年の健全な育成のためであって、加害者少年を守るためだけのものではないということです。
少年犯罪の背景
ではなぜ少年はここまで法律で特別扱いを受けているのでしょうか。その理由は、まだ物事の良し悪しが判断できない、または少年自身では選ぶことができない家庭環境などの影響により、正しい判断のできない人間に育つ、育っている恐れがあるからです。
非常に極端ですが、イスラム国では子供に対して人を殺すよう訓練され、実際に人の命を奪っています。もちろん失われた命も哀れむべきですが、殺人鬼として育てられた少年もまた哀れむべきではないでしょうか。
子供は育った環境に非常に左右されるため、罪を犯しても、それは本人だけの罪ではなく、周りの環境が悪かったのではないかという考え方です。
実際に非行に走る少年の多くは、親に身体的・心理的虐待を受けていた経験がある等のデータも実際にあります。
少年法は必要
少年による凄惨な事件がある度「少年法廃止」の声があがりますが、残念ながらそれは安易な意見であることが非常に多いです。少年法の「加害者少年を守る」という面しか見ていない方がほとんど。
少年法廃止の声はかなりの数があるのに、少年法廃止を叫ぶ政治家が一人もいないのは、多少なりとも少年法を理解しているからでしょう。
ただ殺人等の重罪に関しては、もう少し被害者遺族に対して寄り添うべきで、多少の改正は必要だと考えます。
またこのような少年犯罪について論じるのは、どう罰するべきかではなく、どうすれば防げたかであるべきです。
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